生活に直結する問題だけに、住民の目が厳しくなることが、地方の(教育)行政サービスを住民のニーズに近づける方途である。
選挙のたびに有権者も候補者も賢くなっていく。
民主主義の基盤を強化するのである。
今春(2001年)、Y形大学を皮切りに、T山大学、K沢大学などで、過去の入試判定のミスが発覚し、マスコミをにぎわせた。
コンピュータのプログラムミスが原因と言われるが、いずれも国立大学で起きた事件である。
同じような私大の入試ミスについては、ほとんど報道がない。
その背景には、2001年4月より施行された情報公開法があった。
この法律に後押しされ、国の機関である国立大学も、入試に関わる個人情報の開示を行うようになった。
Y形大学の場合も、受験生から今年度の入試結果について成績開示が求められ、そのチェックの過程でミスが発覚した。
報道によれば、当初は今年度分のミスの公表だけで済ませようとの声も一部にあったようだが、情報公開法を使えば過去にさかのぼって事実関係を追及される可能性がある。
そのような判断からだろう、過去のミスについても公表されるにいたったのである。
その後、他の国立大学でも、過去の入試を含め点検が行われた。
その結果、いくつかの大学で同じようなミスが見つかった。
まさに、情報公開=国民の知る権利の威力である。
入試ミス事件の場合、合否判定の過程で、何が行われたかという「事実」レベルの確認が情報公開を通じて威力を発揮した。
教育における情報公開の有効性は、こうした「事実」の確認以上の役割を果たしうる。
教育政策の立案、政策評価の検証に情報の開示を求めることであり、さらには「分析」という価値を加えた付加価値情報の利用を求めることである。
情報公開との関連で、M科省も「説明責任」ということをしばしば言うようになった。
教育政策について「国民にわかりやすく説明する責任がある」といった意味で使われる場合が多い。
言わば政策実施以前の段階での「説明責任」である。
この語のもとの英語、
アカウンタビリティには、政策実施の結果について、納税者の負担に応えるだけの(会計上の)説明.弁明ができるかどうか、という意味での「説明責任」が含まれる。
政策実施以後の「説明責任」である。
情報公開の有効性を高めるための付加価値情報の利用とは、この意味での説明責任にかかわる。
この面での情報公開はというと、教育政策についてはまだまだ不十分である。
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